■特長
●2 電極(MC8D3910-1シリーズ、測定体積φ60×H150mm)または3電極(MC8D3910-2シリーズ、測定体積φ40×H110mm)で土壌体積含水率を測定
●土壌温度を測定
●複数の出力オプションが可能(モデルにより): RS485(デジタル、modbus-RTUプロトコル)、SDI-12(デジタル)、アナログ電圧
●長期間の正確で安定した測定
●保護等級IP67
●極めて低い土壌侵襲性
●容易な設置
●農業、水文学、地質学用途向け
プローブMC8D3910-1シリーズ(2電極)およびMC8D3910-2シリーズ(3電極)は、土壌体積含水率(VWC)を測定します。
静電容量測定原理により、農業用地において迅速かつ低い侵襲性での測定が可能です。
3電極プローブMC8D3910-2シリーズは特に、小さい測定体積(鉢植え栽培など)での測定に適しています。
当プローブは工場出荷時に校正されており、エンドユーザーによる追加校正は必要ありません。
回路基板はプラスチック製のハウジングで保護されており、エポキシ樹脂で密閉されています。
これにより、厳しい環境条件においても信頼性の高い測定が可能です。
modbus-RTUプロトコルでのRS485デジタル出力を備えたバージョンには、非常に長い接続ケーブルを使用することもできます。RS485 modbus-RTU入力を備えたあらゆるデータロガーへの接続が可能です。
SDI-12デジタル出力を備えたバージョンは、プロトコルバージョン1.3に適合しており、SDI-12入力を備えたあらゆるデータロガーに接続できます。
アナログ出力のバージョンは、0.5~3Vの標準電圧出力を二つ備えています(体積含水率/温度用)。
オプションにて、0~2.5V、0~5V、0~10V出力。
また、当プローブは、標準長さ5mまたは10m、裸線端の定置ケーブルを備えています。
■共通仕様
品番 | MC8D3910-1シリーズ | MC8D3910-2シリーズ |
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体積含水率 | 測定原理 | 静電容量 |
測定範囲 | 0~100%VWC (アナログ出力バージョンでは60%) |
分解能 | 0.1%VWC |
精度 (23℃にて) | ±3%、0~50%VWCにて (標準ミネラル土壌、EC<5mS/cm) |
測定体積 | φ60×H150mm (2電極プローブ) | φ40×H110mm (3電極プローブ) |
センサ動作温度 | -40~+60℃ |
温度 | センサ | NTC10kΩ(25℃にて) |
測定範囲 | -40~+60℃ |
分解能 | 0.1℃ |
精度 | ±0.5℃ |
長期安定性 | 0.1℃/年 |
供給電源 | DC3.6~30V(0~2.5Vアナログ出力バージョン) DC5~30V( RS485出力バージョン、 0.5~3V(アナログ出力バージョン) DC6~30V(SDI-12出力バージョン) DC7~30V(0~5Vアナログ出力バージョン) DC12~30V(0~10Vアナログ出力バージョン) |
消費電流 | RS485出力 | 平均2mA、ピーク15mA(DC12Vにて) |
アナログ出力 | 平均2.5mA、ピーク15mA(DC12Vにて) |
SDI-12出力 | ス タンバイ時300μA(DC12Vにて) 測定時<15mA(DC12Vにて |
出力 | RS485 modbus-RTUプロトコル SDI-12 0.5~3Vアナログ電圧 (0.5V=0%VWC/-40℃、3V=60%VWC/+60℃、 最小負荷抵抗10kΩ) |
材質 | 柄 | 熱可塑性プラスチックおよびエポキシ樹脂 |
電極 | エポキシガラス、厚さ2mm |
接続 | 裸線端定置ケーブル、標準長さ5mまたは10m |
保護等級 | IP67 |
重量 | 約150g(5mケーブル含む) |
■注文コード
| MC8D3910 | - | ① | - | ② | - | ③ |
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| | | プローブタイプ | | 出力タイプ | | ケーブル長 |
| | 1:2電極 (測定堆積φ60×H150) 2:3電極 (測定堆積φ40×H110) | | 記号なし:RS485 S:SDI-12出力 A:0.5~3Vアナログ出力※ | | 5:5m 10:10m |
※オプションにてほかのレンジ
■体積含水率
湿潤な土壌は、固体部(ミネラル)、液体部(通常は水)、気体部(空気、水蒸気)から成ります。
体積含水率(VWC)は、土壌中の特定の一部分における、水の体積(Vw)と総体積(V)の比率として定義されます:
VWCはまた、総体積に対する水の体積のパーセンテージ(%VWC)として表すこともできます。
体積含水率は、水文学において土壌の水理特性の研究に使用されるパラメータで、農業では、穀物の灌漑の必要性を判断する際に用いられます。
■外形寸法
■設置
ショベル等の道具を使用して、土壌にプローブを収められる十分な深さの穴を設けます。
プローブの機械的損傷を避けるため、土壌の穴あけにプローブを使用しないで下さい。
穴を設けたら、柄全体が地面に覆われるように、プローブを完全に土壌に差し込んで下さい。
温度センサは柄に内蔵されており、電極の近くにあります。
そのため、正確な温度検出のためには、柄を土壌に埋める必要があります。
プローブ挿入後は、土壌とプローブの隙間を土で埋めて下さい。
正確な測定結果を得るために、土壌とプローブの電極および柄を密着させて下さい。
当プローブはどの向きにも設置できますが、下に向かう水の流れを妨げず、土壌挙動への影響を最小化するために、地面に対して垂直に設置することが望まれます。
■接続
線色 | 機能 |
RS485 | SDI-12出力 | アナログ出力 |
黒 | 電源(-) | 電源/出力(-) | 電源/出力(-)
|
赤 | 電源(+) | 電源(+) | 電源(+) |
白 | RS485 A/- | SDI-12出力(+) | %VWC出力(+) |
緑 | RS485 B/+ | ― | 温度出力(+) |
ケーブルのシールドを電源の-極に接続して下さい。
※RS485、SDI-12通信パラメータ、コマンドの詳細は別途取扱説明書をご参照下さい。
■メンテナンス
当プローブは、特別なメンテナンスを必要としません。
測定値を変動させる恐れのある物質の蓄積を避けるため、水や中性洗剤による定期的な電極のクリーニングをお薦めします。
■警告:
●プローブを挿入する土壌は、均一で空隙が無く、プローブの挿入を妨げる凝集が無い所として下さい。
●電 極の間に入り込み測定結果に影響を与える恐れがあるような、根、石、地中に存在するその他の物体に注意して下さい。
●プローブ挿入時、電極への不可逆的な損傷を避けるため、力をかけ過ぎないようにして下さい。
●当プローブは、電極にごく近い周囲の土壌において、水分量を測定します。
プローブの設置場所は、測定する土壌に影響を及ぼすような物(金属製のポールなど)が近くに無い場所を選んで下さい。
●土壌のメンテナンス作業(芝刈り、耕起、機械収穫など)中は、プローブの存在を表示し知らしめて下さい。
●土壌からプローブを取り除くには、柄をつかみ、上に引っ張って下さい。
プローブを抜き出すときは、電極に損傷を与えないよう角度に注意し、垂直に取り除いて下さい。
●ケーブルを引っ張ってプローブを取り除かないで下さい。