■特長
●本器は標準型ブリネル硬さ試験機で測った結果に近い値(圧子10mm/試験力3000kgf)が得られます。
●試験片ばかりでなく、中空の薄肉パイプ以外のものでしたら、いかなる大きさの製品・材料でも簡単に試験できます。
●試験方法は、
①本器の先端にある直径5mmの鋼球を試験材の表面に直角にあてがい、
②本器の円頭部分を手で押すと、
③内部の機構作用により一定の力が鋼球に加わり、試験材にくぼみができます。
④くぼみの直径を付属の顕微鏡で測り、硬さ表からブリネル硬さを求めます。
●鋼材の場合にはブリネル硬さと抗張力との間にほぼ一定の関係がありますから、抗張力の大体も別表により推定できます。
※メーカー社内規格で製作しています。
※JISには適合しておりません。
※標準の「硬さ表」は鉄鋼用です。
※アルミ用「硬さ表」もございますが、メーカーの実験値にもとづく参考資料となります。
■仕様
品番 |
MA70-IB |
本体寸法(縦×横 ) |
約250mm×260mm |
高さ |
約100mm |
重量(付属品ふくむ) |
約2.5kg |
付属品 |
計測顕微鏡×1個
対物ミクロメーター×1個
テストピース×1個
予備鋼球(5φ)×5個
硬さ表×1部 |
■使用順序
(1) 測定物の試験面をきれいに仕上げます。(きれいに仕上げるほど、顕微鏡でのぞいた場合に直径を読み取りやすくなります)。
(2) 小さい試験片は図①のように石定盤か、鉄ブロック(150φ×70 以上)の上に乗せてください。
※試験方法は「良い試験方法」に従ってください。
※試験片と石定盤のあいだの油、ゴミ等は取り除いてください。
(3) 試験面に先端の鋼球(直径5mm)を垂直に当てて本器円頭部を手で押してください。(図①参照)
※垂直に押さないと5φ鋼球の凹は真円でなく、だ円になります。
(4) 試験片に衝撃が発生するまで押しつけると、試験面に丸い凹ができます。(図②参照)
(5) その凹を附属の顕微鏡(1目盛0.05mm)で確認し、直径を計ります。(図③参照)
※凹は、たて、よこの直径の平均をとります。
※顕微鏡の焦点合わせは、別紙の顕微鏡取扱説明書に従ってください(人の目の焦点はそれぞれ異なりますので、適宜調整してください)。
(6) その直径を硬度表にあてはめると10mm / 3,000kgf のブリネル硬度が得られます。
(7) 鋼材の場合はブリネル硬度と抗張力との間に大体一定の関係がありますから抗張力のだいたいを硬さ表より推定する事ができます。
■使用上の注意
良い試験方法 |
悪い試験方法 |
|
|
●硬い測定物を試験するときは、鋼球の面がへこむため、一回ごとに鋼球の当たり面を変えてください。または特別付属品(オプション)の超硬球をご利用ください。
※試験面に垂直でさえあれば、任意の方向から測定できる利点あります。
■硬度調整方法
(1)①を外して
(2)3Bのねじをとり
(3)硬度を上げる時、②のコンスリーブを右へ回す
(4)硬度を下げる時、②のコンスリーブを左へ回す
|
部品No. |
部品名 |
数 |
1 |
押し当てキャップ |
1 |
2 |
コンスリーブ |
1 |
3 |
アジャストスリーブ |
1 |
3A |
アジャストスリーブ止ねじ |
1 |
3B |
コンスリーブ止ねじ |
1 |
4 |
フックホルダー |
1 |
5 |
ハンマー |
1 |
6 |
フック |
1 |
6A |
フック用バネ |
1 |
6B |
フック用ピン |
1 |
7 |
主軸 |
1 |
7A |
ボールオールダー止バネ |
1 |
8 |
ボールホルダー |
1 |
9 |
器筒 |
1 |
10 |
ガイドキャップ |
1 |
11 |
ハンマー用バネ |
1 |
12 |
戻しバネ |
1 |
13 |
5φ鋼球 |
1 |
※本器は各種材料に対し3,000kgf、直径10mmの鋼球をもって測定したブリネル硬度に相当する近似値をえることができます。